腎臓内科このページを印刷する - 腎臓内科

特徴

当院は、千葉県における腎疾患医療の中核を担うべく診療体制の充実を図り、また多くの医療機関からのご紹介を賜り、これまでも国内有数の診療実績を上げまいりました。現在、当院には、日本腎臓学会、日本透析医学会、日本移植学会により認定された専門医・指導医が多数在籍し、質の高い腎疾患医療を提供できるものと確信しております。糖尿病性腎症や慢性腎臓病(CKD)の重症化予防へ向けた診療(精査・教育入院、生活・食事指導等を含む)や慢性腎炎の診療(健診で血尿や蛋白尿を指摘された方への腎生検による正確な診断と治療)のみならず、緊急での迅速な診断・治療が必要な各種腎疾患(ネフローゼ、急性腎障害、急性腎炎、急速進行性腎炎など)への対応も国内最高レベルで実施できる体制を整えています。腎疾患の診断に於いて重要な腎生検の実施数は、単独施設では国内でトップクラスとなっているとともに、国内で数少ない腎病理医も在籍しておりますので、診断の質も担保されています。確かな診断を基にした治療をご提供できることは、当科を受診される方にも大きなメリットとなると確信しています。現在、世界中で糖尿病性腎症によって腎不全に至る例が多くなっており社会問題ともなっています。当科では国の糖尿病性腎症重症化予防プログラムにも対応すべく早くから体制を整えています。(糖尿病性腎症重症化予防プログラムに向けた対応)また、千葉県ではCKD対策に力を入れており、当科でもこの取り組みに賛同し、千葉県民の方々により良い腎疾患医療が遍く届けられるよう、千葉県の対策に対応をさせていただきます(千葉県庁・CKD対策)。更に、希少疾患であるが故に診断・治療が難しい、多発性のう胞腎、アルポート症候群、Fabry病、ミトコンドリア病(ミトコンドリア病が疑われる腎疾患についての相談受付)、常染色体優性遺伝性尿細管間質性腎疾患(ADTKD)をはじめとする遺伝性腎疾患診療の充実も図っております。また当院では、透析医療として血液透析/腹膜透析を選択でき、いずれも非常に高い水準で実施しています。残念ながら腎不全となる可能性が出てきた場合、透析療法や移植の準備のための情報提供をご本人あるいはご家族に行う腎代替療法選択外来も行っていますので是非ご利用ください。腎臓移植については、当院では手術は行いませんが、千葉大学等の近隣医療機関と連携し、レシピエントおよびドナー評価を当院腎臓内科で実施しています。なお、すでに透析を行われている方の腎移植希望の場合は、当院では対応ができません。また、先行的腎移植(PEKT)(維持透析の必要性が出る以前に、透析を経ないで腎移植を行うこと)を希望される場合には、糖尿病性腎症ではeGFR30を下回る前、糖尿病性腎症以外の腎疾患ではeGFR15~29mL/分/1.73m²の間に受診いただきたいですが、原疾患(原因疾患)や腎疾患の悪化速度、合併症等によっても異なりますので、早めにご相談ください。腎機能や腎疾患速度の進行速度によってはPEKTのご希望に沿えないことがあります。

腎疾患で悩む患者さんが少なくなることを目指し、我々はさらに最良の腎疾患医療を提供できるよう精進していきます。

受診のお勧め

ご自身の腎臓になにか不安があるときには、迷わずぜひ一度受診されることをお勧めします。腎臓の病気は症状がないものが多いので、「何も症状がないから受診しなくても大丈夫」と決して思わないでください。症状がなくても進行してしまうのが腎臓病の怖いところです。「尿検査でひっかかった」、「腎機能が下がっていると言われた」、「親や兄弟や親戚に複数人腎臓が悪い人がいるけど、腎臓の検査を受けていない」、「糖尿病治療中だけど蛋白尿が出てきている」、「体がむくんできた」等々、そんな方は腎臓内科への早めの受診をお勧めします。糖尿病性腎症を含む慢性腎臓病(CKD)では蛋白尿が出始めた頃(ほとんどの方ではこの時期には症状はない)からしっかりとした診断・的確な治療を行っていくことで、治癒させたり、進行を抑制させたりすることができますので、早期に受診していただくことが何より大切なことです。また、腎臓病の方の多くで、生活、とくに食事について、工夫を凝らすことで明らかに良い効果がもたらされます。当院では多職種の医療スタッフが連携を取り、よりよい生活スタイルの提案をできるようにしています。更に、当院では血液透析、腹膜透析を実施でき、その診療実績も豊富であることも特徴です。個人個人の人生プランに合わせて最適な腎代替療法を選択いただくことは、とても重要なことであり、また適切な時期な情報提供はその後の生命予後も改善することが示されています。慌てないためにも、eGFRが 30ml/分/1.73m2を下回った頃(だいたい血清クレアチニンが2.5-3mg/dl)には、一度じっくり腎代替療法について考える機会を持っていただくことをお勧めします。 腎臓は全身の状態をあらわす鏡とも言われます。腎臓を健康に保つことは、全身の健康を保つことにも繋がります。腎疾患のことなら何でも、お気軽にご相談ください。

※初めて当院腎臓内科を受診される方へ

※初めて当院腎臓内科を受診される方へ

予約なしの新患は当日受け付けを原則しておりません。
初診時に十分な診察時間を確保し、より的確な診療を行うための予約新患外来を設置しております(現況、1ヶ月先程度の予約をお取りできていますが、時期により異なります)。

電話(地域医療連携室 直通電話:043-264-3116)にて予約が可能です。

かかりつけの先生方からの紹介がある場合のみではなく、健診で腎臓の病気が疑われた場合、ご家族・ご親類に腎臓の病気(腎や尿路系の癌、尿路結石などは泌尿器科疾患になり、当腎臓内科では治療ができません)の人がいて心配な場合、などなど腎臓にお悩みがある場合には、お気軽にご連絡ください

※当院腎臓内科に患者さんをご紹介いただく医療機関の先生方へ

予約なし新患患者さんは原則的に当日受付をしておりません。 お手数ではございますが、地域医療連携室に患者さん・ご家族よりご連絡いただき、新患予約外来を予約し受診いただくようにお伝えください(現況、1月先の予約をお取りできています)。よろしければ当科紹介用のこの診療情報提供書の雛形を印刷してご利用いただければ幸いです(普段先生方が使用されているものでも問題はございません)。
緊急性の高い腎疾患の場合には、当日中の対応ができるよう心がけており、我々が最も地域に貢献できるところであると認識しております(*1 参照)。是非、急性腎不全、高カリウム血症、ネフローゼ、急速進行性腎炎、急性腎炎など緊急性が高いことが予想される場合、あるいは判断に悩まれる場合には、お手数ですが直接電話にてご連絡下さい。

※高度の心不全、虚血性心疾患による急性の腎障害、あるいは急性呼吸不全の合併が疑われる患者さん等、ICU管理が必要と予想される症例につきましては、他院へのご紹介をご考慮いただけますようお願いいたします。判断が難しい場合もあるかと思いますので、ご相談いただければ、当院での対応が可能かどうかを相談させていただきますので、そのような場合にもお気軽にご連絡ください。
(*1) 例えば、急速進行性腎炎や急性腎不全について、病態の理解に基づく一刻も早い治療が必要と判断された場合、当日に腎生検し、当日に診断し治療を行うこともあります。

内科スタッフ紹介

氏名 所属学会・資格など
統括診療部長
腎センター長
今澤 俊之 臨床研修指導医、日本腎臓学会(専門医・指導医・評議員)、日本内科学会(認定内科医・総合内科専門医、指導医)、日本透析医学会、日本腎臓リハビリテーション学会(代議員)、日本基礎老化学会、日本ミトコンドリア学会、日本人類遺伝学会、アメリカ腎臓学会、日本腎臓財団会員、千葉糖尿病対策推進会議会員、日本糖尿病協会登録医
診療部長
血液浄化センター長
首村 守俊 日本内科学会(認定内科医・総合内科専門医)、日本透析医学会(専門医・指導医)、日本腹膜透析学会(認定医)、日本腎臓学会
内科医長 川口 武彦 日本内科学会(認定内科医・総合内科専門医)、日本腎臓学会(専門医・指導医)、日本透析医学会(専門医・指導医)、日本移植学会(移植認定医)、日本臨床腎移植学会(腎移植専門医)
医師 諸岡 瑞穂 日本内科学会(認定内科医)、日本腎臓学会(専門医)、日本透析医学会(専門医)、日本リウマチ学会
  嶋田 啓基 日本内科学会(内科専門医)、日本腎臓学会(専門医)、日本透析医学会(専門医)、日本アフェレシス学会、日本腹膜透析医学会
  今井 真理子 日本内科学会(内科専門医)、日本腎臓学会、日本透析医学会
  大村 弘輝 日本内科学会、日本腎臓学会
  安井 薫子 日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会

腎臓内科診療実績(2023年度実績総数または2023年度末の数)

診療項目 実数(or概数)/年間
腎生検症例 143
慢性腎臓病精査・教育入院 105
新規血液透析導入数 61
新規腹膜透析導入数 8
腎代替療法選択外来 84

具体的な診療内容

1 検尿異常: 検診などで「たんぱく尿」や、「血尿」、あるいは両方指摘された場合などです。必要に応じ、腎生検(通常5日間の入院)による正確な診断のもとで治療を行っていく必要があります。
2 慢性腎臓病(CKD):日本人の成人の8人に1人が該当すると考えられています。放置をしておけば、腎不全に至るのみならず、心筋梗塞や脳梗塞などの危険性も高まる可能性があり、適切な対処が必要です。多くの場合、生活の改善が必要なため、当院では多職種のスタッフがサポートし、腎臓に優しい生活の提案をします。千葉県CKD重症化予防対策にも準拠した対応を行っています(千葉県・CKD重症化予防対策について)。
3 慢性腎炎症候群: ゆっくりと腎臓の機能が落ちてきます。多くの場合、たんぱく尿や血尿を伴います。IgA腎症に対しては他院との連携の元で扁桃腺摘出術を行う場合があります
4 糖尿病性腎症:当院では糖尿病・内分泌内科医師との密接な連携のもと診療を行っております。糖尿病の方に他の腎疾患が合併することもあり、病態を把握するために腎生検を施行する場合もあります。糖尿病性腎症は早期に治療を開始すれば治すこともできます。重症の場合には適応を考慮しLDL吸着も行います。(糖尿病性腎症重症化に向けた取組み
5 ネフローゼ症候群:体がむくんだり、尿が減ったりします。ステロイドを含む免疫抑制慮法についても経験豊富です。時に血漿交換を行う場合もあります。適応を考慮しつつ、リツキシマブの使用も行います。
6 急性腎炎症候群:感冒の後に、尿量の減少やむくみで自覚する場合があります。
7 急速進行性腎炎:原因不明の発熱、体重減少、食欲低下、難聴(耳鳴り)、しびれ等を伴うことがあります。早期の治療が望まれますので、上記に加えて、たんぱく尿や血尿がある場合は、早めに専門医にご相談ください(予約外来でなく、直接受診していただければ診療を行います)。
8 多発性嚢胞腎:遺伝性の場合が多い。適応される方にはトルバプタンの使用も行います。
9 ミトコンドリア病:国内の他の専門機関とも連携し、各種生化学的検査から遺伝子診断まで実施することが可能です。開発されている新規治療も検討します。 (※ミトコンドリア異常を疑う腎疾患症例のご相談についてはこちら
10 ファブリー病:国内の他の専門機関と連携し診断します。適応のある場合には酵素補充療法を実施します。
11 遺伝性腎疾患(上述以外):アルポート症候群、髄質嚢胞性腎障害(ADTKD)等の病理学的診断や遺伝子診断、さらに治療を行います。
12 尿路感染症:膀胱炎、腎盂腎炎など。
13 膠原病に関連した関連腎炎:当院のアレルギー科とも連携し治療を行います。
14 血液疾患等の全身性疾患に関連した腎機能低下:他の病院に血液疾患で通院中の方の場合、紹介状を用意し受診をお願いします。
15 その他、原因不明の腎機能低下:他院で原因不明と言われている場合でも、是非一度ご相談ください。原因の究明に努め、最適な治療法を行います。
16 高血圧:本態性高血圧だけでなく二次性高血圧についても精査・治療いたします。
17 高尿酸血症
18 急性腎障害(急性腎不全):数時間から数日の間に急激に腎機能が低下する状態です。脱水、血行動態の急激な変化(ショック)、薬剤性、全身の血栓性疾患、あるいは尿路が高度に閉塞された場合などに起こります。
19 腎代替療法選択外来:だいたいの目安としてeGFRが15-30ml/分/1.73m2に至った頃(だいたい血清クレアチニンが2.5-3mg/dl)には、どのような腎代替療法(血液透析、腹膜透析、移植)を選択をするかについて家族を含め相談をしていただくことを提案します。なるべく生活のスタイルを変えず、かつ身体的な負担の少ない方法を選択していただくための外来です(腎代替療法選択外来のご案内 - 独立行政法人国立病院機構 千葉東病院 (hosp.go.jp))
20 血液透析(在宅血液透析を含む):血液浄化センターのページをご参照ください
21 バスキュラーアクセス(シャント)作成、トラブル対応:血液浄化センターのページをご参照ください。
22 腹膜透析:血液浄化センターのページをご参照ください
23 腹膜透析カテーテル挿入術、カテーテルトラブル対応:血液浄化センターのページをご参照ください。

千葉東病院腎臓内科特別講演会のご案内

腎臓内科研究関連業績

糖尿病性腎症化予防プログラム

紹介用診療情報提供書書式

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