糖尿病・内分泌内科このページを印刷する - 糖尿病・内分泌内科

特徴

当科では、糖尿病、脂質異常症、メタボリック症候群、肥満症などの生活習慣病、甲状腺、副甲状腺、副腎、脳下垂体といった内分泌臓器(ホルモンを産生する臓器)の疾患を診療しています。生活習慣病では薬物療法とともに食事、運動などの生活指導も重要です。医師、看護師、栄養士、臨床検査技師、薬剤師といった関係する各部門のスタッフが連携して皆様の治療、療養指導を担当させていただきます。

初めて糖尿病・内分泌内科を受診される方へ

当院の通常の外来は継続診療が必要な患者さまの予約にてほぼ一杯で、予約外での初診希望の方につきましては待ち時間が非常に長く、また十分な診察時間も確保しにくくなってしまっております。そこで、当科では連携を密にして診療を行っている腎臓内科とともに週2日、予約による初診外来を設置しております。 初診時には患者さまの状態をゆっくり把握する必要があることから、十分な診察時間も確保し、診療の質を向上させておりますので、予約制の初診外来を是非ご利用ください。電話(地域医療連携室直通電話:043-264-3116)にて予約が可能です。 ただし、具合が悪く初診の予約日まで待てない場合はその限りではありません。来院後に受け付けをしていただき、問診票に状態をご記載いただきます。その内容を拝見し、緊急性が高いと医師が判断した場合は、予約外であっても当日診察をさせていただきます。また、上記につきご理解いただいた上で、お待ちいただけるようであれば、緊急性の有無に関わらず来院当日の予約外診療も行います。

スタッフ紹介

名前 所属学会など
診療部長

関直人

内科学会(認定内科医、指導医)、糖尿病学会(専門医、指導医)
医長

花岡美貴

内科学会(認定内科医)、糖尿病学会(専門医)
院長

西村元伸

内科学会(総合内科専門医、指導医)、糖尿病学会(専門医、指導医)、内分泌学会(専門医、指導医)、腎臓学会(専門医、指導医)、透析医学会、高血圧学会、千葉大学医学部臨床教授

当科で扱っている疾患について

【糖尿病】

当科では、糖尿病について、食事療法やお薬による血糖値のコントロールから、合併症の検査・治療などを幅広く行っています。

糖尿病については、透析や足切断などの合併症の恐ろしさが、マスコミなどで強調されていますが、早期に発見して治療を開始すれば決して怖い病気ではありません。しかし、早期には症状が出ないことが多く、このことが、治療が遅れてしまう原因の一つとなっています。このため、健康診断などで高血糖や尿糖を指摘された方は、糖尿病の検査を受けることをお勧めします。特に、成人に多く、日本の糖尿病の9割以上を占める「2型糖尿病の場合、食事療法・運動療法などにより著明な改善も期待できます。受診イコール飲み薬やインスリン注射とは必ずしもならないですし、また合併症と無縁で一生過ごさせる患者様も多くいらっしゃいますので、繰り返しますが、早期の受診が重要です。

そのために、当院では、糖尿病の診断・合併症などの検査に始まり、栄養相談や(必要なら)お薬による治療、糖尿病の合併症の検査の眼科の受診、また、糖尿病の治療を行いながら治療食を実際に体験したり知識を得ることができる1週間程度の教育入院などを行っています。

また、若い方に多い1型糖尿病の患者様で、専門的な治療(インスリンポンプ治療など)を希望される患者様も、ご相談ください。

さらに糖尿病腎症については、当院の腎臓内科と連携して診療していますので、早期の患者様から、進行して透析などの治療が必要な患者様まで対応できます。

【甲状腺】

甲状腺は、前頸部にある臓器です。薄く軟らかいので、正常では体表から触れることはできません。ここでは甲状腺ホルモンが産生されます。甲状腺の病気では、甲状腺が腫れたり、しこりができたり、ホルモンが過剰になったり不足したりすることがあります。甲状腺ホルモンは諸臓器が働くうえで必要な潤滑油のような働きをしています。このため甲状腺ホルモンが過剰になると諸臓器が空回りし、エネルギーを浪費してしまいます。逆に不足すると諸臓器の働きが悪くなります。以下の表に、過剰な場合、不足した場合の症状をまとめます。

部位

 

甲状腺機能亢進

(過剰な時)

甲状腺機能低下

(不足する時)

全身 微熱(暑がり)、体重減少 低体温(寒がり)
心臓 頻脈、動悸 徐脈
筋肉 手、指が震える 筋力低下
消化管 下痢 便秘
イライラ 精神鈍麻
皮膚 湿潤(汗をかきやすい) 乾燥

#1:バセドウ病

甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰になる疾患)の代表的な病気がバセドウ病です。バセドウ病では甲状腺が全体的に軟らかく腫大することが多く、甲状腺ホルモンが過剰に産生されています。その結果、甲状腺機能亢進症状として、暑がり、疲れやすい、体重減少、イライラする、動悸、下痢、発汗、手足の震え、月経不順、血糖上昇、ときには心不全、頻脈、不整脈(心房細動)などいろいろな症状が現れます。甲状腺ホルモンが過剰になる疾患はバセドウ病以外にもあり、原因によって治療方法が異なります。従って、診断をしっかりすることが大切です。診断のためには、血液検査(甲状腺ホルモン、TSH受容体抗体の測定)は必須ですが、その他、アイソトープを用いる検査が必要になる場合もあります。治療としては、抗甲状腺剤による薬物療法、手術、アイソトープ治療(放射性ヨウ素内服)の3つの方法があります。病気の程度やライフスタイルにより治療を選択しますが、多くは、はじめは抗甲状腺剤を使用し、経過をみて治療法を検討します。いずれにせよ甲状腺ホルモンを正常に保つことで健康な人と変わらない生活を送ることが可能です。

#2:亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎は、甲状腺の炎症の一種でウイルス感染が原因と考えられています。一番の特徴は前頸部(甲状腺があるところ)の疼痛です。多くの場合、痛むところは硬い結節様に腫れます。また、発熱も伴います。病初期は一時的に甲状腺ホルモンが過剰になり、甲状腺機能亢進症状も呈します。
診断のためには、まず頸部の診察をし、血液検査による炎症反応、甲状腺ホルモンのチェック、そして、甲状腺の超音波検査が有用です。場合によっては、甲状腺の穿刺細胞診が必要になることもあります。
亜急性甲状腺炎は、数か月の自然経過で治る疾患です。しかし、疼痛を伴うため、大半は消炎鎮痛剤あるいはステロイドホルモンの内服が必要になります。また、甲状腺機能亢進症状が激しい場合は、一時的にβ遮断剤などが必要になる場合があります。