形成外科このページを印刷する - 形成外科

特徴

当院形成外科は、平成17年4月に設立され、5月より本格始動しました。県内で形成外科のある病院はまだまだ少ないですが、昨今その需要は増大して来ております。われわれは、地域医療関連施設と連携を図りつつ、しっかりとした医療技術と患者さまとのコミュニケーションを大切にし、皆様の社会生活の質(QOL)の向上のために診療活動を行っていきたいと思っております。

担当医

医長 千明信一

※ その他、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会、日本口蓋裂学会、日本先天異常学会、日本皮膚科学会など多くの学会に参加しております。

外来診療

土日祝
千明 千明 千明 千明 休診 休診
*診療時間は、9:00~12:00です。受付は8:30~11:00です。ただし、急患はこの限りではありません。急患として来院される際は、電話(043-261-5171)にて診療可能かお問合せください。

形成外科とは・・・

「形成外科」は、「先天性および後天性の身体外表の形や、色の変化、すなわち醜状を対象とし、これを外科手技により、形態解剖学的に正常に近づけることを手段とし、その目的は個人を社会に適応させるものである。」と定義されています。 やさしく言い換えると、「形成外科は、体の表面の何らかの異常を、主に手術をすることで正常に近づける(美しく治す)ための診療科」と言えるでしょう。ですから、現在マスメディアなどでもてはやされている「美容外科(美容整形)」も、広い意味で「形成外科」の一分野となります。 日本形成外科学会では、「形成外科」を、2つの専門分野に分類しています。一つは、組織の異常、変形や欠損などの「疾患」を治療対象とする「再建外科」であり、もう一つは、疾患とは言えないが、ご自身が大変気にしている微妙な形状を治療対象とする「美容外科」です。再建外科は「生まれつきの、またはけがや癌などで変形したり失われた体の表面や骨の異常を、機能の回復のみならず形も正常に近い状態に再建し、QOLの向上に貢献する」専門領域です。また、「美容外科」は、客観的には病気と認められない細微な形態変化を外科的に修復して、生活の満足度を向上させる専門分野と言えます。ただし、医療法上は「形成外科」と「美容外科」は各々独立した標榜科となっています。

「形成外科」と「整形外科」の違い

「形成外科」と「整形外科」の違い
一般の方のみならず、医療関係者の間でも「形成外科」と「整形外科」は正しく認識されていないことがあります。「形成外科」については、前述しました。
「整形外科」は「人体の運動器官の病気や外傷(ケガ)を取り扱う医学の一部門で、背骨・手・足など全身の運動器官を造りあげている骨・関節・筋肉・靭帯・腱・脊髄・神経の病気、外傷(ケガ)による損傷、手足などの先天性疾患(生まれつきの奇形など)を治療し研究する分野」です。
やさしく言い換えると、「形成外科」は、皮膚や軟部組織など体の表面に変化が見える病気、「整形外科」は、骨や筋肉など体の深部で運動機能が障害される病気を取り扱うといえるでしょう。しかし、両方の診療科ともに境界がはっきりしない病気もあり、病院や医師によっても治療している病気は違います。迷った場合は、病院のホームページやパンフレットなどでお確かめください。

「形成外科」と「美容整形」について

わが国における美容外科の歴史は古く、当時は皮膚科、泌尿器科、耳鼻科、眼科、産婦人科、外科といったいろいろな科の先生や、クリニックなどの開業医の先生方が参加して行われていました。以前は「美容整形」と呼ばれていましたが、1978年に「美容外科」という標榜科が正式に法律で認められました。一般に言われている「美容整形」という名称はその名残りであり、現在では使われません。

形成外科の主な疾患について

〇新鮮熱傷、凍傷、化学熱傷
いわゆる「やけど」です。当院では、軽症から中等症までを取り扱っております。重症については、設備、人員等の問題から、高次救急病院にご紹介いたします。また、凍傷(とうしょう)や化学熱傷(かがくねっしょう)も取り扱っております。

〇顔面骨骨折および顔面軟部組織損傷
顔の骨折や外傷を取り扱います。顔の骨には、前頭骨、眼窩、上顎骨、下顎骨、頬骨、鼻骨などがあります。これらが骨折すると、顔面の変形および機能障害を来たします。また、外傷では、専門的な初期治療を行うことで、予想される傷跡を最小限にすることも可能です。これら、顔のケガに対して、機能面と整容面の双方の治療を行っています。

〇唇裂・口蓋裂
以前は、一般には「みつくち」(現在は使われません)などと呼ばれていました。生まれつき上唇や鼻、口の中などが割れている病気で、日本人では500~600人程度に1人の割合で生まれる比較的頻度の高い病気です。当院では、千葉大学医学部附属病院、千葉県こども病院などと連携して治療を行います。

〇手、足の先天異常、外傷
生まれつき手や足の形態の異常(指の数、形などの異常)を取り扱います。また、仕事中や料理中の手や指の切り傷や切断なども取り扱います。同様の病気は整形外科でも取り扱っている病院もありますのでご確認下さい。

〇その他の先天異常
手、足以外の体の表面に現れた異常には様々なものがあります。代表的なものには、耳の異常(小耳症、折れ耳、耳垂裂、副耳、耳瘻孔など)、副乳、陥没乳頭、眼瞼下垂、逆さまつ毛、漏斗胸、出べそ、包茎、尿道・生殖器異常などがあります。

〇母斑、血管腫、良性腫瘍
いわゆる「ほくろ」、「あざ」、「おでき」などと呼ばれるものです。機能面および整容面に留意して治療を行っております。また、切除した組織を病理組織診断して、確実な治療を行います。

〇悪性腫瘍およびそれに関連する再建
皮膚の悪性腫瘍はもちろんのこと、他科と合同で食道、乳房、頭頸部の再建を行います。主に植皮(皮膚移植)や皮弁、血管吻合を用いた組織移植を行います。

〇瘢痕、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド
「やけど」や「ケガ」、「手術」などによる傷跡、引きつれを治します。引きつれでは、機能的な回復と同時に整容的な回復を図ります。

〇褥瘡、難治性潰瘍
「褥瘡(じょくそう)」とは、いわゆる「床ずれ」のことです。また、外傷、糖尿病、膠原病など様々な原因による難治性潰瘍に対しても、褥瘡と同様に、保存的あるいは外科的に治療をしております。なかなか治らない床ずれやキズがありましたら、ご相談ください。

〇美容外科
当院では、現在のところ自由診療(自費)による美容外科手術は行っておりません。美容外科に関するご相談や医師のご紹介などは可能です。

〇その他
分類されていない疾患には、顔面神経麻痺、毛巣洞、陥入爪、弯曲爪(巻き爪)、義眼床手術、腹壁瘢痕ヘルニア、リンパ浮腫、腋臭症 (わきが)などがあります。また、他の診療科で手術をされる時に、最後に形成外科医がキズを縫ってなるべく傷跡が目立たなくなるようにすることも行います。その他にも取り扱える疾患もございますので、お気軽にご相談ください。


注)当院では、現在のところ、レーザー治療は行っておりません。

当院形成外科と関連のある主な施設