眼科このページを印刷する - 眼科

特徴

当院眼科は平成16年4月より本格始動しました。(それまでは、通常の外来診療はありませんでした。)次に、当院眼科は、基本的に一般眼科で、すべての病気に対応するよう準備しておりますが、当院の主だった特徴をご説明したいと存じます。
全身の病気に伴う眼の病気
1 高血圧、腎障害、糖尿病に伴う目の病気、 カメラのフィルムにあたる眼の場所を眼底・網膜といいます。眼底は外から比較的容易に観察できます。ある意味、眼底は全身の窓とも言え、これを通して血管の変化、脳の変化が現れることがあります。高血圧・腎障害・糖尿病が進行すると、眼底の血管の循環が悪くなり、見えなくなるなどの症状が出てきて、治療が必要になることがあります。特に糖尿病による網膜症は、誰でも要注意です。 (糖尿病のページへ) また、脳血管の出血、梗塞でも、左右の半分が見えなくなる、物が二つに見えるなどの異常がでてくる時があります。
2 白内障(白内障のページへ)白内障は40歳以上のほぼ全員に出てきます。(白内障は、実は老眼とも関係があるのです。)昔は「しろそこひ」などといわれ、失明の原因のひとつともされてきました。しかしながら、現在では手術によって治療可能になたこと、また失明になるほどひどくなるまで放っておく患者さんが少なくなったため、白内障で失明ということは昔の話になりました。当院でも手術治療を行っています。日帰り手術も可能な時代ですが、安全を考慮して当院では入院していただいています。
3 緑内障(緑内障のページへ)緑内障は40歳以上の人口のうち、3.65%(多治見スタディ)30人に一人ということがわかりました。大体小学校のクラスのうち、1人は緑内障に罹患しているという計算です。全国では約200万人と推定されています。ところが、その内の80%の人達が自身では緑内障に気づいていないということもわかりました。40歳以上の17人に1人という報告が出ています。また、日本人は欧米人に比べて緑内障になりやすい傾向があります。昔は「あおそこひ」といわれていました。白内障と違い、現在でも失明の原因の上位を占める病気です。 簡単にいうと、視神経が徐々に痛んでしまう病気です。病期にあった的確な診断と治療を必要とする病気と思われます。以上当院で扱う比較的身近で主な病気、について簡単にのべさせていただきました。不明な点、その他の病気についても遠慮なく質問してください。

担当医

医長 今井 直樹  眼科専門医

◆外来診療日
月・水・木・金曜日

眼科の主な疾患について

1.糖尿病のお話し

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近年、糖尿病の患者数は著しい増加をしています。現在成人の失明原因のトップが糖尿病による合併症です。また、糖尿病に罹患する期間が長いほど眼の網膜症が発生する確率は高くなります。

では具体的には糖尿病による目の病気とはどのようなものなのでしょうか。  目の奥にある網膜という、カメラにあたるフィルムの役割をする組織があります。この網膜には細かい血管が全体的にはりめぐらされています。糖尿病で、血糖値の高い状態がつづきますと、血管に多くの負担がかかり、網膜に十分な酸素がいきとどかなくなってしまいます。そのような状態になりますと、網膜は「酸素不足である」、という信号をだし、なんとかして酸素や栄養をうけようとします。そこで、急ごしらえの血管(新生血管)をつくり網膜に栄養を送り込もうとします。  この血管がつくられるから大丈夫と、一見思えますが、実はこの血管こそがくせものなのです。なんでも急ごしらえ、一時代用のものはよくありません。この新生血管も例外にもれず、大変もろく出血しやすい血管です。新生血管がやぶれて網膜の表面や眼球内にひろがると、視力の急激な低下をきたします。また、新生血管が元となってできた増殖膜が網膜を牽引することで、最近またよくしられるようになった網膜はく離をひきおこします。  では、どうしたらいいのでしょうか。 網膜症は徐々に進行しますが、かなり進行しても視力低下などの自覚症状がほとんどないということです。これが糖尿病網膜症のこわいところです。糖尿病自体「silent disease」ともいわれるのも納得していただけると思います。  だからといって、糖尿病を放置しておいて、ある日突然目が見えなくなったといって病院に駆け込み、網膜はく離、増殖硝子体網膜症と診断されることもあります。  しかしながら、正しい治療、また定期的な検査をきちんとうけていれば、糖尿病でない方と同じような生活をおくることができます。糖尿病で一度も眼科検査を受けたことない方や、何年も前に受けたきりの方は一度検査をうけることをお勧めいたします。

2.白内障のお話し

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白内障のおはなし  世に白内障は広く知れ渡るようになりましたが、具体的にはどのような症状なのでしょうか。一般的に白内障といわれる白内障は主に加齢性白内障のことを指し示します。  症状 眼のなかの水晶体という部分がにごる病気です。この部分は光の通り道であるあるため、光が拡散されて、網膜に光がとどきにくくなります。また、実は白内障は老眼とも関係があるのです。

老人性白内障は、平均寿命の延長・老齢人口の増加にともない、今後ますます増えてゆく眼疾患の一つです。 通常は、混濁が進行して視カが低下し、日常生活に支障をきたすようになると水晶体を摘出します。水晶体を取り除いた後は、眼鏡をかけるか、コンタクトレンズを装用するか、または、眼内レンズ(人工水晶体)を挿入することにより、視カを回復することも可能です。現在、日本では、一年間に約20万人の人が老人性白内障の手術を受けています。また、眼内レンズを挿入する時期・年齢・症状などについては、主治医とよく相談したうえで行えば心配することはありません。  老人性白内障は、適切な治療により、視カの回復が望める疾患です。

3.緑内障のお話し

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緑内障は、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。原因に関しては、眼圧上昇のほか、眼循環等様々なことがいわれていますが、まだ明らかなはっきりとした原因はわかりません。  では視野はどのように変わってくるのでしょうか このように、徐々に見える範囲がせまくなってきますが、実際には両目でみる、また、眼を動かすため、視野の変化にはかなり進むまで気づかないことのほうが多いです。 このように、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることも少なくありません。徐々に視神経がいたんでくる病気であるため、自覚症状として眼に異常を感じることもありません。ただし、急激に眼圧があがるタイプの緑内障は、頭痛、吐き気などの症状を呈します。このタイプの緑内障の発作がおきたときは眼圧を適切に、早急にさげなければいけません。

緑内障の治療 緑内障の治療は病気の進行をくい止めるため、眼圧を低くコントロールすることが最も有効とされています。治療法としては薬物療法、レーザー治療や手術が一般的です。レーザー治療や手術を受け、眼圧が下降しても、その効果が維持されるとは限らず、再度手術を行う場合もあります。 日常生活で気をつけること 日常生活で特に気をつけることはありません。医師の指示を守り、健康的で無理のない規則正しい生活を心がけましょう。  ほとんどの緑内障は自覚症状がなく、病気の進行に気づかないことが多いので、定期的に眼科を受診しましょう。