腎炎研究室このページを印刷する - 腎炎研究室

腎炎研究室の概要

特に小児腎疾患(IgA腎症、紫斑病性腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎)に関する臨床病理学的検討。 また、疾患活動性の把握のための尿中因子の分子的解析を行っています。
室長:金本 勝義(小児科医長兼任)

主な研究内容と目的

IgA腎症は小児慢性腎炎の半数以上を占め、その長期予後は発症15年目で9%が腎不全に進行し、30%に血尿蛋白尿が持続することが近年明らかになっています。一方、小児のIgA腎症は学校検尿の発達による早期発見・治療により、腎炎の進行を阻止できることが明らかにされ、当科の過去10年間の統計では、IgA腎症157名中で腎機能障害を呈したものはわずか2名(1.2%)であり、上記を裏付ける結果を示しています。 当科ではポドカリキシン陽性細胞(ポドサイト)の尿中落下数のカウントによりIgA腎症の疾患活動性を評価し、陽性者には早期の腎生検を施行し、プレドニゾロンを中心とした早期治療を行うことで予後の改善に努めてきました。しかし尿中ポドサイトは管外活動性病変の進行の指標であり、IgA腎症の病理学的特徴である糸球体メサンジウムの増生、さらに糸球体硬化などの慢性活動性病変の指標とは成りえない可能性があります。従ってIgA腎症の発症から長期予後までを患者に無侵襲で評価できる尿中マーカーの存在は、臨床に極めて有用であると思われます。
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スタッフの紹介

腎炎研究室長
金本 勝義(小児科医長兼任)