実験動物慰霊祭このページを印刷する - 実験動物慰霊祭

開催概要

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1.日時:平成27年10月22日
2.場所:千葉東病院 2階 大会議室
3.式次第:
(1)開式の辞:院長 新井 公人
(2)慰霊のことば:臨床研究部長 圷  尚武
(3)黙祷
(4)献花
(5)閉式の辞:副院長 西村 元伸
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慰霊の言葉

平成27年度 千葉東病院臨床研究部の実験動物慰霊祭にあたり、利用者を代表し、実験動物に対し謹んで慰霊の言葉を述べさせて頂きます。
平成26年度 当院において医学研究のために貢献された動物は、マウス573匹 ビーグル犬8頭を数えました。また、平成26年度以前にも多数の実験動物が研究のために貢献されております。これらの実験により得られた成果は腎疾患、移植・再生医療、神経変性疾患をはじめとする基礎医学、臨床医学分野において、多くの論文や学会発表として公表されたことを報告したうえで、そのひとつひとつの御霊が安らかにご昇天されますことをお祈りし、謹んでご冥福をお祈りいたします。
さて、今日の医学生物学の実験分野においては 、できるかぎり個体を使わず、細胞のみの使用によって、目的とする研究成果を挙げることのできる環境が進みつつあります。しかし、いざヒトへの応用を考えるときに、どうしても実験動物での検証が避けて通れません。限りある命が人間だけの都合によって奪われることは、動物にとって不条理の極みかもしれません。しかし人が生きてゆくためには、実験動物に限らず多くの生命の支えが必要です。そのため、すべての生命に慈(いつく)しみの心と、亡くなられた動物に哀悼の気持と感謝の念を忘れてはなりませんし、人間も他の生命によって生かされていることを再認識しなければなりません。
研究者にとって、昨今の動物愛護運動の高まりは、さまざまな制約をもたらしています。しかし、私たちの研究成果が人類の福祉にどのように役立っているかの説明を十分に行って、世の中の理解を得ることを怠つてはなりません。また、尊い動物の使用数を最小限に抑え、研究に貢献された動物に報いるために、その成果を人類の幸福のために最大限役立たせることに心がけなければなりません。そのことが、私たちの研究に命を捧げた動物に応える唯一の方法であると思います。
最後に、当院における医学研究のために命を捧げ貢献された多くの実験動物に対し、謹んで感謝と敬意の念を表すとともに、我々の健康や福祉が実験動物たちの命のうえに成り立っていることを再認識し、研究に従事していくことを誓い、慰霊の言葉といたします。
平成 27年10月22日
千葉東病院 臨床研究部長 圷 尚武